熊野季節物語り・甘夏収穫

御浜町 平成15年1月8日(水)撮影
甘夏みかん1

三重県の南部、熊野地方は温暖な気候を生かしたみかんづくりが盛んで、いろんな種類のみかんが作られています。今回の写真は貯蔵用の収穫が始まった「甘夏みかん」の農園です。
熊野から新宮へと行く道に海側を走る国道42号と山側を走るオレンジロードがあります。そのオレンジロード(写真中央右より)沿いにある甘夏畑です。

甘夏みかん2

上の写真の反対側から撮影したものです。こちらの方が順光のため、黄色くなった甘夏がよくわかります。道路わきにあるのはみかんを入れるコンテナで、これに入れて(1コンテナ約15kg)トラックに積み込み運びます。
収穫された甘夏は、3月初め頃まで貯蔵熟成され出荷されます。このほかに木の上で完熟させる越冬木成甘夏(4月頃より出始めます)もあります。こちらは2次肥大が起きて皮がごつごつし、表面も汚れていますが、その美味しさは格別です。では、なぜ木成甘夏ばかりにしないのかというと、熊野にはほとんど影響ありませんが、強烈な寒波が来てみかんの中身が凍ると水分の抜けたカスカスのみかんになってしまいます。そのリスクを背負わなければいけないのと、木も長い期間実をつけていると弱ります。そして表面が汚れるため見た目で選ぶ消費者が多い世の中では一般的に商品価値がないものとみなされます。地元の無人市や青空市場で購入できますし、産直をやっているところもあります。熊野に来たら「貯蔵ですか?木成ですか?」と聞いて選んでみてください。両方食べ比べてみるのも楽しいですよ。

甘夏みかん3