熊野季節物語り・花の窟神社 お綱づくり

熊野市有馬町 平成16年1月25日(日)
花の窟(はなのいわや)神社大祭

2月2日(月)「花の窟(はなのいわや)神社大祭」でおこなわれる「お綱引き」。
左の写真は、「お綱引き」の様子で、高さ70mの巨岩の御神体から、大勢の人の手で張られているところです。
そこで使われる長さ160mものワラを編んだ「お綱」づくりが始まりました。
その「お綱づくり」をご紹介いたします。

稲ワラ打ち 稲ワラ打ち

まずは、稲ワラを編みやすいように、たたいてほぐす作業です。神社入口の前で大勢の男性の手によって行われます。

餅つきのように交代で杵を打ち付け、一人が稲ワラをまんべんなく当たるように回したり動かしたりします。

一輪車で鳥居から奥へ ワラを編む作業

たたかれた稲ワラを一輪車で鳥居から奥へと運んでいきます。

神社の前の社では、ワラを編む作業が行われていました。お年寄りが多いのですが、若い方も混じって伝統行事を受け継いでいます。

ワラを編む作業 ワラを編む作業

手前のせめんきには、水が入っています。適度に湿りを与えながら編んでいきます。
左の男性は綱の長さを測り、編んでいる人に長さが足りれば教えます。

左の写真の窓から出ているお綱は、手前のおばあちゃんが編んでいるものです。長い縄を編んでいくので部屋から外に出しながら作ります。


この編まれた縄を、7本束ねて「お綱」になります。7本には意味があって7つの神様の数だそうです。この編まれた縄は、2月1日の大祭1日前に1本に束ねる行事を行います。
みなさん、寒く凍えそうな中丁寧に編み上げていました。
「このお綱づくりも、もっと若い人に伝えていかなくては、誰もわからなくなってしまう。」と関係者の方がおっしゃっていました。日本最古の神社といわれ伝統的なお祭りですが、そのような危機にも直面しているようです。
2月2日の大祭は、大勢の人、報道陣で賑わいます。このお綱引きにはどなたでも参加できます。関係者の方の指示に従い、お綱を境内から、七里御浜海岸へと引っ張り、支柱にかけ、結んで終了です。一つだけ気をつけないといけないのは、このお綱をまたいではいけないことです。これは神様のお綱なので、下をくぐることは出来ても、またいではいけません。それは気をつけてください。