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熊野スローライフ協会では、熊野地域の風土、人情、文化、自然、食を謙虚に見つめなおし、人間が本来持っている潜在能力を引き出し、あるべき生活形態を追求していきたいと考えています。
地域の観光資源ともなりうる食を中心とした地域の文化を調査研究し、食農教育、環境教育を進め、地域にある資源を地域の中で安全に循環させる仕組みを提案、実行していくことを中心的事業内容とした事業を行っていきます。
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スローな生き方を考える 〜理事長からのメッセージ
求める「懐かしい未来」とは何なのか
NPO法人 三重スローライフ協会 理事長
大原興太郎(三重大学生物資源学部 教授) |
今年産声をあげたばかりの私たちの活動は今やまだよちよち歩きの段階です。
生き生きした活動をするには、人々が作る組織もまた生物体に習って、外から活動のエネルギーを取り入れ、咀嚼し、外に向かって提案していく必要があると思います。協会のいくつかのキーワードは、中心的に動いてきた人間(理事)の中で、昨年の準備段階から討議を繰り返して一致点を見いだし、パンフレット等で表明してきました。
しかし、スローライフあるいはスロー×××という言葉は、頻繁には使われるようになったものの、人によって抱くイメージに大きな差があります。そしてその言葉のあいまいさが不必要な混乱を招いていることもあります。もちろん新しい動きを反映した新しい言葉は、最初は必ずしも確定したものではなく、時間の経過と共に固まっていくのが常ですが、私たちの思いや内容を表す的確な〔言葉のイメージを共有〕していくことは大事なことだと思われます。そのための検討素材を提供していきたいと思います。
まず、最初は私たちが掲げている、あたらしい生活スタイルを提案し、「懐かしい未来」を創っていく、とはどういうことなのかを考えてみましょう。スローフードやスローライフという言葉と運動がどのようにして生まれてきたのかを考えるとこの点は明らかです。周知のようにそれは基本的には20世紀後半の社会経済、生活の大きな変化の中で生まれてきました。フォードシステムにみられる大量生産・消費・廃棄型のゆたかな社会の登場と市場の世界化により、規格化され画一化された安価な製品が世界に行き渡ると同時に、それぞれの地域にあった伝統的な食品や文化が急速に衰微してきました。一般の人々の生活、農民も含めてその自給的な部分が急速に縮小すると同時に、市場経済に深く巻き込まれていく程度に応じて地域農業・地域産業の存続が困難になってきました。当然のことながら市場競争に勝てない部門や産業は撤退を余儀なくされ、農業をはじめとした自営業に大きなダメージがもたらされました。
食の面では、ファーストフードにみられるこうした単に便利で手軽な食のあり方に疑問をもち、それぞれの風土と歴史に根ざした農と食のあり方をもっと大事にすべきではないかという動きがイタリアで1986年に始まったスローフード運動です。もちろん日本でもいわゆる近代化路線に継承をならし、オールタナティブライフ(もう一つの生き方)を探る試みは産直や郷土食復興などにみられました。しかし、こうした高度成長期の反省が国民的なレベルに進んでくるには、バブル経済の崩壊によっていよいよこれまでのやり方ではダメかも知れないという認識が広がってきた90年代後半から21世紀に入ってのことです。
それでは古き良き時代の最後と考えられる60年代以前に戻ればいいのでしょうか。よほどの経済基盤の崩壊に出会うなどのことがないかぎり、もはや完全に車なし、電化製品なしの生活に戻ることなどほとんど不可能です。歴史は後戻りすることができません。かつてのよき時代のエッセンス(本質)から学ぶことは可能でしょうが、単に昔に返ることはできず、私たちは前に向かって進まざるを得ません。この場合、人々が貧しくても地域のものを大事にし、人々との付き合いを大事にして、生活や地域の持続性が疑問視されることのなかった時代のマナーやあり方を振り返ってみることが必要ではないでしょうか。
こうした人間にとっての大事な部分を呼び起こしながら、現代的な技術などを適切に使って新しい時代の生活スタイルを提案していくこと、それが「懐かしい未来」の意味ではないかと思います。こうした運動は単に食や農の部分のみならず生活の全面にわたってします。そこで新しい時代にふさわしい社会や生活のあり方をみんなで考え提案していきたいのです。私たちが今あるのは先人たちの努力の賜物であることを感謝し、将来世代に少しでもよい環境や基盤を残していきましょう、という思いが「なつかしい未来」への志向の中に宿っていると思うのです。 |
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| サイトマップ |
| 更新日2007年 8月 19日 (日) |
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| 現在の会員数:230名 |
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